糖尿病の3大合併症
2018.09.04
網膜症
網膜は目の一番奥にありカメラで言うとフィルムにあたる重要な部分です。ここが侵されるのが網膜症です。糖尿病による網膜症は成人の失明原因の第一位で、年間約 3,000人が糖尿病により失明しています。症状は、視力が落ちる、物がゆがんで見える、目の前にひもや点が見える、視野が欠けるなどですが、高度の視覚障害に至る直前まで症状がないことも少なくありません。
腎症
腎臓の働きが低下してくると、だるい、疲れる、足がむくむ、貧血になる、吐き気がする、息苦しいなどの症状が現れますが、これらの症状が現れたときには腎機能はかなり低下していて、人工透析を受けないと生命を維持できない状態も近いといえます。年間約1万6千人が、糖尿病による腎症が原因で人工透析を受け始めていて、人工透析が必要になる原因の第一位を占めています。
神経障害
全身の神経の働きが鈍り、さまざまな症状が現れます。主な症状は、足先や手先がしびれる、麻痺した感じがする、痛い、足が冷たい・ほてる、力がぬける、インポテンス、生理が狂ってくる、閉経が早い、便秘・下痢になりやすい、たちくらみがする、額や顔に汗をかきやすい、などです。
以上が三大合併症ですが、ふつう糖尿病になってから5-6年で神経障害が、7-10年で網膜症が、15年程度で腎症が出現します。
その他の合併症
糖尿病の患者さんは動脈硬化による脳卒中や心筋梗塞になりやすいことも知られています。その他、足の壊疽も合併症の一つで、足を切断しなければならないこともあります。また、動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞の危険性も高くなり、感染症にもかかりやすくなります。そのほか歯や歯周病になりやすいなど、糖尿病は全身の至るところに影響を及ぼします。
このように糖尿病は治療せずに放置すると大変恐ろしい病気ですが、前に述べたように、しっかり治療し糖尿病状態を良好にコントロールすれば、糖尿病でない人と同じ健康な生活がおくれます。是非、一病息災の精神で頑張りましょう。