糖尿病の主役

2018.09.04

糖尿病の主役はインスリンです。

糖尿病の鍵はすべてインスリンが握っています。インスリンは膵臓で作り出されるホルモンで、細胞が血液の中からブドウ糖を取り込んでエネルギーとして利用するのを助ける働きをしています。インスリンの作用が不足すると、ブドウ糖を利用できなくなり、血液中のブドウ糖濃度(これを血糖値といいます)が高くなります。これを高血糖といい、この状態が継続するのが糖尿病です。インスリンの作用不足には、膵臓のインスリンを作り出す(インスリン分泌)能力が低下してしまうことと、能力が十分でもインスリンに対する細胞の感受性が悪くなることの2つの原因があります。

 

糖尿病の準主役はブドウ糖です。

私たちは、食べ物を消化・吸収することで、生命を維持し活動するためのエネルギーを得ています。食物中の栄養素には、糖質、脂質、たんぱく質があり三大栄養素と呼ばれていますが、エネルギー源として最もよく使われるのが糖質です。糖質は、消化・吸収されブドウ糖となって肝臓へ送られます。そのうちの一部は脳や筋肉で利用され、残りのブドウ糖は肝臓内にグリコーゲンして蓄えられます。さらに余った分は脂肪になります。余り過ぎると肥満になります。身体活動で血液中のブドウ糖を消費すると、グリコーゲンが分解されて再びブドウ糖となって血液中に放出されます。このようにして、活動のためのエネルギーが常に維持され、血糖値は一定の範囲内の変動におさまっているのです。